レンタル彼氏–恋策–

「もしかして、店のホームページの?」

「そう!それ見れば凜翔君の行動範囲が分かるかも!」

 プロフィールには、スタッフの名前や血液型といった基本的な自己紹介をはじめ、好きな食べ物や特技が書いてあった。紙面を見た私は、ここ最近で一番集中力を発揮していた。

 凜翔のプロフィール。営業用に多少ウソが混ざっているのだとしても、意外なことばかりだった。

「凜翔、辛い物が好きなんだ……。デート中も、この前カフェで会った時も、甘い物ばっか頼んでたのに」

「それって、甘党のひなたに合わせてたんじゃない?」

 なにげない心晴の一言に、大げさなくらいドキッとしてしまう。

「特技は、楽器の演奏…?」

「すごいね!凜翔君、音楽男子?」

「そんな話、聞いたことないなぁ」

「一番下に恋愛経験って欄もあるよ」

「そんなことまで!?」

 どの項目より気になる!食い入るように、その欄を読んだ。

《恋愛経験:初恋は年上の女性です。彼女はいたことありません。
仕事への意気込み:このお仕事を通して、女性の気持ちが分かる男になりたいです!自分磨きだと思っています。》
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