レンタル彼氏–恋策–
「気にしなくていいよ。相馬が対処してくれたし、私も酔うとああなるし、お互い様」
サバサバした杏奈の様子にホッとしたのも束の間だった。
「それより、大丈夫?ひなた、だいぶウワサになってるよ」
「ウワサ?……たしかに、最近学校で皆が冷たいような気がするけど……」
「ひなたが相馬と付き合ってたのは遊びで、他にもそういう男がいるってウワサになってるんだよ。元カレと別れたのも、試しにモテる相馬と付き合いたかったからで、結局相馬のことも飽きたから捨てたって話になってるみたい」
「そんな!全然違うよ…!」
でも、半分はその通りかもしれない。優の気持ちに応えられなくて、結局彼を傷付けた。
黙ってしまう私の隣で、心晴が強く意見した。
「ひなたはそんなことしない!あたし昔から一緒だったもん、よく知ってる!」
「分かってるよ、心晴。ウワサは否定しといた。どんだけ効果あるか分からないけどね。ひなたが心配で、用事ないのに大学来ちゃったよ。でも、思ったより元気そうで安心した。色々あったと思うけどさ、また三人で飲も?」
この後バイトがあるからと、杏奈はすぐに帰ってしまった。わざわざそのためだけに来てくれたなんて……。