愛され系男子のあざとい誘惑
背伸びをして彼の首にネクタイを掛ける。ここからどうしたらいいんだっけ。一生懸命お父さんがやっていたものを思い出しながらぎこちないしぐさで結ぶもやっぱりしっくりこない。
何が他の人に頼むぐらいなら私がやりたいだよ。全然できていない。情けないな。
「・・・名前、聞いてもいい?」
ずっとネクタイと格闘しながら聞かれたことに答えてはいたけれど、まさか名前を聞かれるとは思わなくて顔を上げると視線がぶつかった。優しく微笑まれて「名前教えて?」なんて聞かれて好きになるなよというのが無理だった。
単純でバカだとわかっているけれど、私はいとも簡単に恋に落ちるタイプなのかもしれない。
「・・・槙野優美です」
「優美ちゃんか。俺は藤澤寛人(ふじさわひろと)です。ネクタイありがとう」
この人は私とは一番縁遠い人。好きになったってきっと傷つくし、優しくて素敵な人なんだから彼女がいるかもしれない。
そう思うのに恋に落ちる加速度は勢いを増し、あっという間に私はこの人を好きになってしまった。
何が他の人に頼むぐらいなら私がやりたいだよ。全然できていない。情けないな。
「・・・名前、聞いてもいい?」
ずっとネクタイと格闘しながら聞かれたことに答えてはいたけれど、まさか名前を聞かれるとは思わなくて顔を上げると視線がぶつかった。優しく微笑まれて「名前教えて?」なんて聞かれて好きになるなよというのが無理だった。
単純でバカだとわかっているけれど、私はいとも簡単に恋に落ちるタイプなのかもしれない。
「・・・槙野優美です」
「優美ちゃんか。俺は藤澤寛人(ふじさわひろと)です。ネクタイありがとう」
この人は私とは一番縁遠い人。好きになったってきっと傷つくし、優しくて素敵な人なんだから彼女がいるかもしれない。
そう思うのに恋に落ちる加速度は勢いを増し、あっという間に私はこの人を好きになってしまった。