愛され系男子のあざとい誘惑
それにしてもやっぱり格好を変えたとしても場違いすぎる。チラチラと見られてる気もする。藤澤さん、本当に来てくれるのかな?


「優美ちゃん、ごめん。待たせたよね」


いたたまれなくて俯いていると、声を掛けられたので顔を上げると朝のラフな感じの格好とは違う藤澤さんがいた。


「め、眼鏡かけていたんですか?」


「あっ、ごめん。急いでたからかけて来ちゃった。なんだか恥ずかしいな、眼鏡似合わないんだよね、俺」


ヤバイ。そんなの嘘だ。めちゃくちゃ似合ってる。周りにいる女性が見惚れるくらい。高身長というわけではない。かっこいいというよりは本当に綺麗という言葉がぴったりだと思う。


パリッとしたグレーと紺色のストライプのシャツにダークトーンのデニム。それに・・・


「ネ、ネクタイ結べたんですか?」


少し髪はワックスで立てて、黒縁眼鏡。でもそれよりも目がいったのは綺麗に結べている紺色にシャツと同系色のストライプのネクタイ。


誰かに結んでもらったのかな。私よりもはるかに綺麗に結べていた。


「あっ、これね」

「・・・誰かに結んでもらったんですか?」

「どうだったかな?忘れちゃった」
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