愛され系男子のあざとい誘惑
でもなんだろう。こんなに豪華な家具がたくさんあるのにモデルルームのような感じで生活感がない。


「優美ちゃん、お風呂湧いたよ。えっ?まさかずっと立ちっぱなしだったの?」


「えっ?あっはい。こんな素敵なソファに座るわけにいかないなと思って」


「何、言ってるの。もうこれも優美ちゃんのものなのに。あっ、それより早くお風呂入っておいで。それとも一緒に入る?」


「む、無理です!」


ジリリと距離を詰められ、耳元で意地悪な甘い囁き。一緒に入るなんてとんでもない。ぶるぶると首を振るとあははという笑い声。

とりあえずと渡された着替えは女性ものの可愛いルームウェアだった。


なんで、なんで女性もののルームウェア?でもこんなコーヒーがかかったベタベタの服ではいたくない。

モヤモヤと考えてしまうことはたくさんあったけどとりあえず好意に甘えてお風呂に入らせてもらうことにした。


「あっ、お帰り。やっぱり似合うね。そのルームウェア。そうそう会社にはちゃんと連絡させてもらって理由も話してあるから安心してね。今日はもう早退していいって言ってたから時間は気にしなくてもいいし」



結局、ゆっくりとお風呂に入らせてもらい、出してもらったふわふわもこもこのピンクのルームウェアを着させてもらってリビングに戻った。


社長も私を抱きしめて少し濡れたからかラフな黒のトップスとジーンズに着替えて、革のソファに座っていた。
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