愛され系男子のあざとい誘惑
「そんなこと言われたの?俺、毒牙にかけた覚えなんてないけどなー」


ヒロさんから今日は久しぶりに夜、一緒に食べようと連絡をもらったので、6階の和食のお店に向かった。この家に来て外に出るのは本当に初めて。


それくらいこの部屋に閉じこもっていた。パソコンで頼めば買い物したものは全て届けてくれる。と言ってもここは秘密の部屋だからバーに。

その買い物したものは全部舞さんが届けてくれるので本当に私は部屋から出ていない。


舞さんにヒロさんから食事に誘われたと報告すると洋服一式全てを貸してくれた。舞さんは京香にとても似ている。だからかいろいろとつい頼ってしまう。


6階の和食のお店は揚げたての天ぷらが人気で目の前で揚げてくれる美味しい天ぷらに箸が止まらない。

天ぷらくらいなら自分でも作れるなんて思っていたのは間違い。これこそ食べに行って食べるものだと思った。


美味しい天ぷらと久しぶりにヒロさんとゆっくりお食事できることもあって話も止まらない。さらにはここに来る前に舞さんから爆弾発言を聞いたのでそれについて問い詰めたかった。


「舞さんから聞きましたよ!スーツ着用したくないから普段着オッケーにしたんですよね?後、高校時代はネクタイだったって」


「そうだったかな?忘れちゃった。でも、ほらなんでも完璧に出来る男よりちょっとくらい出来ないところがあったほうが『私がやってあげたい』って思ってくれるかなって」
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