愛され系男子のあざとい誘惑
「ここはね、普段は会議室として使うんだけど、眺めがいいからお気に入りなんだ」

いつもは掃除をただがむしゃらにこなすだけの部屋。窓を磨くときも景色なんてちゃんと見たことなかった。


「こっちおいで」と手招きされ、窓を除くと東京の街並みがとてもよく見えた。町がとても小さく見える。改めて自分はすごいところにいるんだと実感した。


椅子を引かれ座らせてもらうと、私の目の前にアイスコーヒーが置かれた。そのアイスコーヒーをじっと見ていると、彼が椅子を引いて私の隣に座った。


「はい。これ二階にあるカフェのやつなんだ。日本初上陸のシアトルコーヒーの専門店なんだって」

「あの、お金・・・」

「俺が君に買ってきたんだからそんなのいらない。それより早く飲んでみて」

「す、すみません。ではいただきます」


少し恐縮したけれど、飲んでと急かす彼のわくわくした子供のようなまなざしに負けてしまい、「いただきます」と口をつけた。


「どう？俺は結構好きなんだけど」

「おいしいです。豆が違うのかな。なんか初めて飲んだコーヒーなんですけど、すごくコクがあっていつまでも飲んでいたいですね」

「よかった。ここのコーヒー、オーガニックの豆を使用してるんだって」

「オーガニック？！すごいですね」

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