スパダリ副社長の溺愛がとまりません！
背中に向けてそう言うと、亮平さんのクックと笑う声がした。それに拍子抜けした私は、その場で立ち止まった。

「ごめん、ごめん。疑ってなんかないよ。一瞬、まさかとは思ったけど」

振り向いた亮平さんは、笑顔を浮かべている。もしかして、怒らせたんじゃないかとも思っていただけに気が抜けた。

「本当ですか？ 亮平さんって、真顔になるとちょっと怖いんですから……」

口を尖らせると、彼は苦笑した。

「それは、なにげに傷つくけどな。実和子が、仕事に真摯なのは分かってるつもりだから。なにせ、一週間も連絡してこないし、合鍵も使おうとしなかった彼女だから」

「あ……。ごめんなさい」

それを言われると痛い。肩をすくめる私を、亮平さんはまた笑った。

「そういうところが、好きなんだ。だから、今日は実和子が、俺の彼女だってことを忘れないようにするための物を買いに行く」

「買い物なんですか？」

連れていきたいところがあるとは言われていたけど、詳しいことは教えてくれなかった。

だけど、どうやら買い物らしい。でも一体、なにを買いに行くんだろう。
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