スパダリ副社長の溺愛がとまりません！
「ちょっと待ってください。イメージダウンって、私は学生時代に付き合っていただけです。圭介はもう関係ありません」

圭介を引き合いに出されて、亮平さんとの付き合いに文句をつけられたのではたまらない。

たしかに圭介のことは好きだったけど、それはもう学生時代の話。だいたい、イメージダウンだなんて、萌さんに言われたくない。

「関係ないって言っても、彼の方は違うんじゃないですか？」

「どういう意味ですか？」

萌さんはなにが言いたいのだろう。含みのある言い方をされて、ますますカチンとなる。

「そのうち、分かりますよ。私はただ、亮平くんを返してもらう、それを言いに来ただけですから」

「まったく意味が分かりません。亮平さんを返してもらうとか、物じゃあるまいし……」

「なんとでも、好きに言ってください。あ、亮平くんに、私が来たことを話してもらって構いませんよ。それじゃあ、失礼します」

勝ち誇ったように言った萌さんは、身を翻すと颯爽と歩いていった。

いったい、彼女はなにが言いたかったんだろう。私に、嫌みのひとつでも言いたかったのか。
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