スパダリ副社長の溺愛がとまりません！
それが亮平さんの本当の気持ちです
亮平さんの車が行ってから、目的のタクシー乗り場へ着くと、運良くすぐに乗ることができた。

おかげで、会社には遅刻せずに済んでホッとする。優奈に挨拶をし、原田部長には今日のスケジュールを報告した。

いつもと同じ光景で、いつもと同じ笑顔を浮かべるけど、心は鉛のように重くて、ひとりになったらきっと泣いてしまう。

仕事があって、本当に良かった……。せめて今だけは、亮平さんのことを心のすみへ追いやることができるから。

さっそく貴也さんの会社へ行かなくてはいけないし、圭介のときのようにミスがあってはならない。

とにかく頭を切り替えなきゃ。

タブレットや資料をカバンに入れると、オフィスを出た。相変わらず外は雨で、さっきより雨脚が強まった気がする。

亮平さん、かなり濡れたんじゃないかな。大丈夫だったかな……。どうして雨に濡れてまで、萌さんを見ていたんだろう。

「ダメ、ダメ。仕事、仕事」

今夜こそは、亮平さんに聞いてみよう。本当のことを教えてもらえれば……。

「本当のこと……？」

もし亮平さんから、やっぱり萌さんが好きだと言われたら？ 私はそれを受け止められるの……？
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