スパダリ副社長の溺愛がとまりません!
知ってる?と聞かれたからと言って、簡単には話せない。そもそも、亮平さんとだって、なにも話ができていないのだから。

「知りませんけど、なにかあるんじゃないんですか?」

「そうなんだよな。亮平と萌は、元恋人同士だし、なにかあったのかと思ったんだけど」

探るように私を見る貴也さんは、なにかを疑っているみたいだけど、心当たりがあるなら直接本人に聞けばいいのに。

そう思ってしまい、私はなにがなんでも口を閉ざした。

「今となれば、広瀬さんに余計なことを言ったと思うけど、気にならなかった? あいつらが付き合ってたって」

「気にはなりました。でも、亮平さんにはなにも聞いてません。それより、あまり時間がありませんから、打ち合わせをしましょう」

タブレットを起動させ、店舗レイアウトの画像を出す。亮平さんのことは、今は考えたくない。だから、仕事をさせてよ……。

「分かった。ただ、本当に亮平をつかまえててくれないか? 俺、政略結婚を成立させたいんだよね」

「申し訳ありませんが、貴也さんたちの企業事情と私は、まるで関係ありませんので」
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