スパダリ副社長の溺愛がとまりません!
そう言い放った私を、貴也さんはそれ以上なにか意見することはしなかった。

なんとか打ち合わせは予定どおりに済み、他のアポもスムーズに終わった。

ただ、考えておきたい仕事の課題がたくさんある。

「広瀬、結構案件を抱えてるが大丈夫か?」

オフィスに戻ると、原田部長が心配そうに声をかけてきた。

「大丈夫です。課題はあるんですが、考えるのは楽しいので。ありがとうございます」

「それならいいけど、あまり無理するなよ」

「はい!」

思えば、亮平さんは、私の仕事に対する姿勢を褒めてくれていたのよね。一緒にいて元気が出るって……。

彼を信じてみよう。私を裏切るようなことをするはずがない。

もし……、私たちの関係を終わらせたいと思っていたとしても、きっと話しはしてくれるはず。

とはいっても、簡単にそうなりたくはないから、私だってすんなり受け入れるつもりはないけど。

その日も、亮平さんからメールがきていた。しばらく仕事が忙しく、遅い日が続くらしい。

ちょうどいい機会だから、一度彼から離れてみよう。冷静になって、亮平さんの仕事が落ち着いた頃に話しをしてみても、遅くないはず。

そう決めて、彼に返信をした。

【私も仕事が忙しいので、しばらく自宅へ戻ります。亮平さん、あまり無理せず体には気をつけてね】
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