スパダリ副社長の溺愛がとまりません!
土曜日までどこか気もそぞろで、仕事中も心のどこかで亮平さんを思い出していた。

改めて話って、あまりいい内容ではないのかな……。もしかして、私が聞くまでもなく、萌さんの話とか?

浅井社長の頼みを受けた? だとしても、私に相談なしに勝手に決めるはずない……と思うけど。

ただ、私に許可を取る必要もないわけで………。

約束の土曜日の二十時、亮平さんからメールが入っていて、駅前のロータリーで待っている。

久しぶりのメールが、待ち合わせの場所を告げるものっていうのも味気ないかな……。

それでも、半月以上もまともに会っていなかったから、会えるのが楽しみ。

話の内容に不安はあるけど、亮平さんの顔を早く見たいというワクワクの方が大きい。

土曜日の夜ということもあり、ビジネスマンより大人のカップルが多い。近くには高級ホテルがあり、そこを出入りするカップルも見える。

「いいなぁ。デートか……」

仕事も好きだし大事だけど、もう少し亮平さんと過ごせる時間があったらいいな。

道行く人たちに目が向いていたとき、軽やかに私の目の前に車が停まった。
< 170 / 257 >

この作品をシェア

pagetop