スパダリ副社長の溺愛がとまりません！

亮平さんが言うには、ホテルの部屋で塞ぎ込み、浅井社長の説得にも応じない萌さんを心配して、亮平さんに連絡があったらしい。

結局、亮平さんが迎えにいくと、萌さんは素直に出てきたとか。

それから、実家のマンション近くまで萌さんを送ったところを、私が目撃したらしかった。

亮平さんは、萌さんの気持ちに応えられないことに、少なからず申し訳なさを感じていると言っていた。

それを聞いて、いつかの彼の寝言も、意味が分かる気がして、それは話さないでいた。

「実和子には、いずれ話すつもりではいたんだ。でも、まさかこんなにいろいろ知っているとは思わなかったよ」

亮平さんは、どこか遠慮気味に、私を優しく抱きしめた。久しぶりに彼の温もりに、安らぎを感じてしまう。

簡単には、失いたくない……。

「親父たちには、今付き合っている女性がいるということと、その人との将来を真剣に考えていると話した」

「えっ？ それって……」

胸の高鳴りを抑えながら、亮平さんの胸の中で続きを待つ。

「もちろん、実和子のことだ」