スパダリ副社長の溺愛がとまりません!
亮平さんから電話があってすぐ、急いで部屋に戻ると、玄関で彼に気まずそうに迎えられた。

「ごめん、実和子。まるで子供のような電話をしてしまって……」

パンとコーヒーの入った袋を私から取った亮平さんは、バツ悪そうに言う。

「そんなことないですよ。私も、メモくらい置いておけばよかったです」

と言いながらも、クスッと笑ってしまいそうになる。そんな私に気づいた亮平さんは、照れ隠しのように、私を軽く睨んだ。

「やっぱり呆れてるんだろ?」

パンとコーヒーをリビングテーブルに置いた彼は、少し強引に私の腰に手を回して引き寄せる。

顔が至近距離に近づいてきて、胸がときめいてきた。

「呆れてなんかいないです……。むしろ、嬉しかったので」

目が覚めた亮平さんは、私がいないことにかなり焦ったらしく、それで電話をしてきたらしい。

しはらく連絡もしない日が続いていたこともあり、亮平さんは私が帰ったんじゃないかと思ったとか……。

いつもは冷静な彼の意外な一面は、私には愛おしく映った。
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