スパダリ副社長の溺愛がとまりません!
だから思わず笑ってしまったけど、亮平さんを呆れたりはしていない。

彼が目を覚ますまでに……と思ったけれど、一緒に行けばよかったと後悔した。

「それなら、安心だけど……。せっかく実和子が買ってきてくれたんだから、早く食べようか」

亮平さんは、優しい笑みを見せて私から離れた。てっきりキスをされると思っていたからか、物足りなさを感じる自分に驚く。

「亮平さん。キス……してくれないんですか?」

「え?」

私の大胆な発言に目を見張る彼に、恥ずかしさを感じつつ、それでも真っ直ぐ見つめた。

こんな風に、これからは素直な気持ちを出していきたい……。

「顔、近づけてきたから、キスしてくれるのかなって思ったんですけど……」

半分ぎこちなさを残しながら言うと、亮平さんの唇が重なった。上唇に触れるだけの優しいキスだけど、胸はキュンとなる。

「昨夜は、俺の無理やり感があったから、ちょっと遠慮したんだけど……。そんなことを言われたら、止められないよ?」
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