スパダリ副社長の溺愛がとまりません!
「亮平さん……。止めないでください」

そっと、亮平さんの服の裾を掴む。その手がかすかに震えるほどに、自分の発言に緊張していた。

「やっぱり実和子は、俺の心を乱すよな。初めてだよ。俺がこんなに、ペースを乱されるのは」

亮平さんは私を強く抱きしめると、舌を絡めてきた。苦しいくらいに激しく、唇がどんどん濡れていく。

「ん……」

思わず声を出すと、亮平さんが耳元で囁いた。

「ごめん、キスだけじゃ足りない」


ーーーー

「亮平さん、コーヒーとパン、温め直しますね」

「ああ……。ホントごめん。つい調子に乗った」

シャツを羽織りながら、亮平さんは照れ臭そうに微笑む。そんな彼に、私も笑みをむけた。

「私は、嬉しかったですよ。亮平さんとふたりきりのときは、ごく普通のカップルでいたいので」

パンをお皿に盛り付け、コーヒーをダイニングテーブルに置く。私が亮平さんと過ごしたいのは、きらびやかな毎日ではなく、こんななにげない時間だから。
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