スパダリ副社長の溺愛がとまりません!
そう問いかけられ、すぐには返事ができなかった。目的がなにか分からないからだ。

でも、私も萌さんと、なにも話さないままでいいとは思っていない。亮平さんへの想いを、きちんと伝えるチャンス……。

そう考えて、彼女に答えた。

「分かりました。どうぞお入りください」

ほどなくして、萌さんがやってきた。亮平さんのいない部屋で、彼女とふたりきりなのには胃が痛くなるほどに緊張する。

「ソファーへどうぞ」

私が促すと、萌さんはソファーへ向かいながら、珍しそうに部屋を見回している。

「私、この部屋に来たのは初めてなんです。亮平くんは、ニューヨークから帰国して、ここに住み始めたので」

「そうだったんですか?」

用意した紅茶をリビングテーブルに置くと、彼女と向かい合って座る。

私に宣戦布告をしてきたときの勢いはまるでなく、むしろ少しやつれていた。

「はい。それまでは、もう少しビジネス街に近いタワーマンションに住んでいて……。そこで同棲していました」
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