スパダリ副社長の溺愛がとまりません!
「え?」

胸が高鳴る……。ドキドキしながら亮平さんを見ると、キスをされた。

「今までも、実和子と会えない日があって、それでもお互いのためだと割り切ってた。だけど、今回は少し弱い自分が出たかな」

「弱い自分……?」

「ああ。今回のケースのほとんどが、俺が決裁をして融資を断わっているものでさ。そういうのは、気にならないはずだったんだけど、さすがに応えたみたいだ」

自嘲気味の亮平さんに、私は強く言った。

「なにも思わない方が変です! 周りがどう言おうと、私は亮平さんの味方ですから。亮平さんが、本当はとても情のある人だと知っています」

ビジネスのことは分からないけど、彼が考え無しに断わっているはずがない。圭介のことにしたって、黒い噂がある人なんだし、それなりの理由があって断わっているはずだ。

私は、そう信じてる。

「ありがとう、実和子。俺もそろそろ寝るから、お前ももう寝ろ。そして、明日からも俺の側にいて」

「はい。もちろんです……。おやすみなさい、亮平さん」
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