スパダリ副社長の溺愛がとまりません!
朝になり、亮平さんは早くに出ていった。会社の状況は、落ち着いたら聞いてみよう。

今は、ただ普通に彼の側にいることが大事だから……。

いつもどおり支度をし、出勤をするためにマンションを出る。すると、すぐ声をかけられた。

「よお、実和子。久しぶり」

「圭介⁉︎」

なんで、圭介がここにいるの⁉︎ ニヤッとした顔を向けられ、恐怖を覚える。私が知っている優しい彼は、とっくに消えていた。

「そんな顔するなって。お前に会いに来たんだからさ。それにしても、橘副社長は立派なマンションに住んでるんだな」

タワーマンションを見上げた圭介は、嫌みっぽく言った。

「圭介、悪いけど私仕事だから。もう行くね」

「おっと、待てって。俺はお前に用事があるんだよ」

「えっ?」

強引に腕を掴まれた途端、口になにかを当てられた。白いハンカチのようなもの……。それだけは認識できたけど、そこから先の記憶はなくなったーー。
< 223 / 257 >

この作品をシェア

pagetop