スパダリ副社長の溺愛がとまりません!
翌朝、少しゆっくり起きると、テレビは昨日の圭介の事件でもちきりだった。

私のことは、亮平さんの恋人として紹介され、それが余計に話題を大きくしている。

圭介には、違法な融資取引や、脅迫罪に暴行罪などが明らかにされ、橘トラストホールディングスを訴えるという話題は、まるで彼の“暴走”のように捉えられはじめた。

「結局、圭介と橘トラストホールディングスを訴えると追随した人たちも、正当な理由での融資断りだったんですね」

そのこともニュースで伝えられているうえ、いつかお世話になった小さな家具メーカーの社長が出ていて驚いた。

社長は、今回の件について反論していて、自分は亮平さんたちに救われたと強く説明している。

これだけ騒ぎが大きくなっていることに驚きを感じながら、テレビに食い入っていると、亮平さんが消してしまった。

「今だけはやめないか? 自分じゃ気づいていないのかもしれないけど、顔が険しくなってる。無理に見る必要はないよ」

「は、はい……」

亮平さん、今日休んで本当に大丈夫だったのかな……。また明日から、きっと忙しい毎日なんだろうし……。
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