スパダリ副社長の溺愛がとまりません!
ーー次の朝、亮平さんは約束の十一時に私のマンションまで迎えにきてくれた。

昨夜のパーティーでの告白は、自宅に帰ると夢だったんじゃないかと思えて仕方なかった。

あのあと、亮平さんと一階に戻り、お互い別々に行動した。仕事関係の方への挨拶などがあったからで、もちろん帰りも別。

連絡先の交換はしたものの、自宅に戻った頃には夜中になっていて、メールすらも控えていたからだ。

だけど亮平さんが迎えにきてくれて、私たちは本当に付き合うことになったのだと実感する。

「おはよう、実和子」

「おはようございます、亮平さん。ここまでの道、迷いませんでした?」

「いや、大丈夫。実和子の教え方が、上手だったから」

運転席から降りてきた亮平さんは、ネイビーのシャツに同系色のパンツを履いていて、かなり垢抜けた雰囲気だ。

スーツ姿以外を見たのは初めてで、思わず見惚れてしまう。すると、私の視線に気づいた亮平さんが、苦笑いをした。

「そんなにマジマジ見られると、恥ずかしいんだけど」

「あっ、ごめんなさい! つい……」

亮平さんに気づかれたみたいで恥ずかしい……。だけど、仕事のときはそれほど気にしていなかったのに、いざ付き合うことになると、亮平さんを意識してしまう。
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