スパダリ副社長の溺愛がとまりません!
きっと亮平さんは、私が想像する以上に激務なのだろうし、今みたいな電話も、しょっちゅうかかってくるはずだ。

いつかの所長のところでも、電話がかかってきたっけ。私も仕事の電話が入ることもあるし、その辺りは理解できる自分でいたい。

「ありがとう。だったらなおさら、一緒にいられるときは、できるだけ長くいたいな」

「そうですね……。私もそう思います。だから……」

さっきは『泊まる?』と聞かれて戸惑ったけれど、いざお別れしないといけないかもとなって、つくづく分かった。

私も、亮平さんと離れたくないほどに一緒にいたいと……。

「だから? どうかしたか……?」

「今夜、泊まらせてください……」

そう返事をすると、亮平さんは私を抱きしめる力を強くした。そして私も、亮平さんの背中に手を回し、彼の締まった体を抱きしめる。

温かくて、服の上からでも体の逞しさが分かる。こんな温もり、初めて経験するかもしれない。

今まで好きになった人も、付き合った人もいたのに、亮平さんと一緒にいると、まるで初めて恋をした気持ちになるから不思議だ。

「明日も、あさっても、実和子を離したくないって、そんな欲が出そうだ」

冗談めかして言った亮平さんは、私をしばらく抱きしめてくれたーー。
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