スパダリ副社長の溺愛がとまりません！

「亮平さん、時間はたっぷりありますし、なにしますか？ もし、特になければ買い物に行きません？」

「買い物？」

亮平さんは一瞬考える振りをして、「ああ」と納得した。

「駅前のモールのこと？ 服でも見ようか」

そう答えてくれた亮平さんに、私はじれったさを感じた。

「そうじゃなくて、スーパーです。晩ご飯を作りますから、食材の買い出しに行きません？」

キッチンの雰囲気から、亮平さんが普段料理をしないだろうと分かる。だいたい、仕事が遅いのだろうから、きちんとしたご飯を食べているのかも怪しい。

そう思って提案したけれど、亮平さんは返事をせずに固まった。

もしかして、ご飯を作ると言ったことに引いてる⁉︎

さすがに付き合いたてで、キッチンを借りようとしたのは図々しかったか……。

「あ、ごめんなさい。そういうのが、好きじゃなければいいんです。気にしないでください」

愛想笑いで誤魔化しながら、心はチクッと痛む。傷ついて、どうするんだろう……。