スパダリ副社長の溺愛がとまりません!
ついさっき、優奈に報告したばかりだし、あのときは周りに人はいなかった。

部長のデスクは離れているし、簡単に聞こえてはいないはず。驚く私に、部長は得意げな顔をした。

「パーティーの日に、橘副社長から聞かれたんだ。広瀬を、少しのあいだ抜けさせてもいいかって。これは、なにかあるなとは思ったんだが……」

「そんなやり取りがあったんですね……。そうなんです、副社長に告白されまして」

こんなに早く、周りの人たちに報告することになるとは思わなかった。想像していた以上に、結構照れくさい。

「そうか、良かったな。おめでとう! これで、夢の橘ホテルのリゾートウエディングも、叶うんじゃないか?」

「ハワイのチャペルですか?」

「そうだよ。広瀬も憧れだったんだろ? 羨ましいな。俺も、負けないように頑張るよ」

そうか、ハワイのチャペルも橘グループのものだったよね……。だからって、私がそこでリゾートウエディング?

それも亮平さんと……?

それはさすがにあり得ない! だいたい、付き合い始めたばかりで、そんな先のことなんて考えられないし。

亮平さんだって、私と先の未来まで、一緒にいたいとまでは思ってないかもしれないし……。
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