スパダリ副社長の溺愛がとまりません!
部長との打ち合わせは、イルビブの他店舗のレイアウト確認だった。どんな雰囲気を好んでいるのかとか、色や小物使いなどの傾向を確認した。

「イルビブは、落ち着いたエリート男性が通うお店って感じですね」

モニターとパソコンを切り、会議室を出ながら部長に言う。

「ああ、そうだな。店舗の配色は、黒か濃い茶色がほとんどで、BGMも小さめのクラシックが流れているらしい」

「でも、今度担当する店舗は、本店だけあって店舗が広いので、暗い色は配分を考えないと……」

百貨店のテナントだと広さも限りがあるから、モノトーンでも見栄えがいい。

だけど今回は、独立した店舗で、それも周りは高級ショップが連なるショッピング街だ。

明るい建物が多いなかで、マイナスな印象で浮いてしまってはいけない。

「そうだな。そこは、午後からの打ち合わせで、久遠寺さんと詰めよう。抱えてる仕事が多くて大変だけど、頑張ろうな」

部長の前向きな言葉に、私は笑顔で頷いた。

「はい! もちろんです」

今ごろ、亮平さんも仕事を頑張っているはず。だから、私も頑張らなくちゃ……。
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