スパダリ副社長の溺愛がとまりません!
「部長、今日の打ち合わせは、貴也さんと広報部長のおふたりですよね?」
念のために聞いておくと、部長は「そうだが……」と答えたあとに続けた。
「広瀬、久遠寺さんの前では“貴也さん”という呼び方はやめろよ? あまりに失礼だから」
「すみません。気をつけます……」
メディアの登場機会が多い貴也さんは、“久遠寺さん”ではなく、“貴也さん”と世間では呼ばれている。
どうやら、名字は堅苦しいからという理由で、本人が下の名前で呼んでほしいとテレビで言ったからだとか。
だから、私もほとんど無意識にそう呼んでいた。だけど、さすがにビジネスの場では相応しくないか……。
「かなりフレンドリーな方らしいけどな。同じ御曹司でも、橘副社長とはだいぶイメージが違うかもしれない」
「なるほど……。たしかに最初は、橘副社長は嫌みなタイプかと思ってましたから。案外、貴也さんも違うかもしれませんね」
それがあんなに優しくて、気遣いのできる人だったなんて……。
「おい、おい。半分はノロケか?」
「ち、違いますよ!」
部長にからかわれて、顔が赤くなるのが分かる。意識していなくても、亮平さんを思い出す自分に少し呆れた。
念のために聞いておくと、部長は「そうだが……」と答えたあとに続けた。
「広瀬、久遠寺さんの前では“貴也さん”という呼び方はやめろよ? あまりに失礼だから」
「すみません。気をつけます……」
メディアの登場機会が多い貴也さんは、“久遠寺さん”ではなく、“貴也さん”と世間では呼ばれている。
どうやら、名字は堅苦しいからという理由で、本人が下の名前で呼んでほしいとテレビで言ったからだとか。
だから、私もほとんど無意識にそう呼んでいた。だけど、さすがにビジネスの場では相応しくないか……。
「かなりフレンドリーな方らしいけどな。同じ御曹司でも、橘副社長とはだいぶイメージが違うかもしれない」
「なるほど……。たしかに最初は、橘副社長は嫌みなタイプかと思ってましたから。案外、貴也さんも違うかもしれませんね」
それがあんなに優しくて、気遣いのできる人だったなんて……。
「おい、おい。半分はノロケか?」
「ち、違いますよ!」
部長にからかわれて、顔が赤くなるのが分かる。意識していなくても、亮平さんを思い出す自分に少し呆れた。