スパダリ副社長の溺愛がとまりません!
ご飯を食べた亮平さんは、一息つく間もなくジャケットを羽織ると出勤の準備をしている。

「大変ですね。毎朝、こんなに早いんですか?」

玄関まで見送ると、靴を履いた彼が苦笑した。

「ああ。立場上、どうしても業務が溜まっていて……」

「そうなんですか……。気をつけて。いってらっしゃい、亮平さん」

「いってきます」

亮平さんは私にキスをすると、部屋を出ていった。私も出勤の準備をしなくちゃ。

いつもどおり、ヘアメイクを整えてみても、気分はどこか重い。

萌さんが誰なのか、亮平さんと付き合っていれば、知ることができるのかな……。

モヤモヤした気持ちのまま、私は会社への道のりを急いだ。

「おはようございます!」

「おはよう」

オフィスに入ると、コピーをしていた原田部長と目が合う。すると、部長が小さく私を手招きした。

まだ出勤している人はまばらで、優奈も来ていない。

「広瀬、朝一番に久遠寺さんから電話があったぞ」
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