スパダリ副社長の溺愛がとまりません!
「貴也さんからですか?」

いったい、朝早くからなんだろう。怪訝な顔をする私に、部長は言った。

「なんでも、インテリアのことで相談したいことがあるらしい。すぐに折り返してくれないか?」

「分かりました」

急いでデスクへ行くと、パソコンを立ち上げて、貴也さんの会社の電話番号を確認する。

そして電話をすると秘書の人が出て、貴也さんに繋いでくれると、電話口からは、けだるそうな声がした。

「広瀬さんにお願いがあるんだけどいい?」

「は、はい。なんでしょうか?」

開口一番、挨拶もそこそこに、そんなことを言われて半分ムッとする。

親しみやすいというより、馴れ馴れしくどこか人を見下したような口調だ。

「店に置く小物類は、浅井百貨店のテナントの物を使ってくれないか?」

「浅井百貨店のテナントですか?」

浅井百貨店といえば、大手百貨店で業界ナンバーワンの売り上げを誇る。

私も休日には何度も行き、服を買う。あそこにある雑貨屋はひとつしかなく、南フランス風の小物がメインの、大手雑貨店が入っていたはずだ。
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