スパダリ副社長の溺愛がとまりません！

「え？ 萌さんって……？」

偶然にも、亮平さんの寝言に出てきた女性の名前と同じで、思わず呟いていた。

「ご存じないですか？ 浅井百貨店の社長令嬢です。読者モデルもしてる……」

「あっ、言われてみれば……。最近特に注目されている人ですよね」

たしか、二十代向けファッション誌の読者モデルに、そんな名前の人がいる。

キレイめのファッション誌で、たしか目の大きな可愛い女性だ。

「そうなんですよ。萌ちゃんって、久遠寺さんと、あの橘トラストホールディングスの副社長と幼なじみなんですよ」

「えっ⁉︎」

まさか……。じゃあ、亮平さんが昨夜寝言で言っていた女性は、浅井萌さんなの？

「やっぱり驚きますよね。今をときめく、有名御曹司ふたりの幼なじみ。萌ちゃんって、どっちと結婚するんだろう」

中崎さんはうっとりとした表情で、宙を見上げている。どんどん話が進んでいき、私は軽く混乱した。

「あの、どっちと結婚って、どういう意味なんですか？」