いつも、雨
まさか、かつてと同じように、自分に甘えてくれるとは思ってなかった。

愛しさと、戸惑いと、野獣のような欲望が要人の中でせめぎ合う。


かつてより、透明感を増したしっとりとした美しい白い肌。

たわわに実ったおっぱいを密着されて……その気にならないわけがない。

もとより、そのつもりがなければ、わざわざこんな時間に忍んで来ない。


いや。

もちろん、ヤることだけが目的で来たわけではない。

要人は、これからのことを相談に来たつもりだった。



天花寺夫人が亡くなった今、2人を引き裂く障害は何もない。

領子の気持ちも確認できた。


要人は、夢見心地で領子を抱いた。


4年……もうすぐ5年か……。

我ながら、よく我慢できたものだ。

ああ……。

この香りも、懐かしい……。

鼻孔をくすぐる、甘い……領子さまの香り……。

どれほど恋しかったことか。


逢いたかった。

この腕に抱きたかった。

ようやく……俺のものにできる……。




長い長い空白を経て、2人は愛を確かめ合い、伝え合った。

疑うべくもない愛情が、心を震えさせ、身体を燃え上がらせた。

めくるめく快感に、身体も頭もどろどろに溶けてしまう……。



要人は、成熟した領子の眩しい肢体に溺れた。


何度も何度も繰り返し交わり……幾度となく意識を飛ばした領子は泥のように眠っている。

要人もまた、領子の寝顔で幸せに満たされて、眠りの淵に落ちた。





気づけば、夜が白んでいた。

雨はもうやんでいるのだろうか。


要人は腕の中の領子を起こさないように、そーっとそーっと起き上がろうとした。


「ん……」

努力の甲斐なく、領子も目覚めてしまったらしい。


諦めて、そっと口付けた。

「おはよう。お姫さま。……身体、つらくない?」

「……ものすごく……だるいわ……。腰が……変……。」

領子はそう言って、上半身を起こそうとしている要人に、ガバッと抱きついた。

「身体が動かないわ。わたくしも、起こして。」

「……はいはい。よいしょっと。……領子さま、また重くなってるわ。……成長したんやなあ。」

しみじみそう言って、要人は領子の胸元をまさぐった。
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