サクラチル
次に目を覚ましたのは明るい世界。



眩しくて目を閉じそうになる。



そこに広がるのはよく知った場所。



その中に私達は桜の木の下にいた。



たしか、この日は丁度一年目を迎えた日。



ここは二人しか知らない約束の場所。



春には沢山の桜が咲き、秋には色とりどりの紅葉が咲く。



「琴音、これから先だってずっと君を愛し続けるよ。



だから、約束してほしい。」



2人だけの秘密の場所でネックレスとともに誓った言葉。



桜の舞い散る、或る春の日のことを



まるで昨日あったかの様に今でも覚えているの。
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