サクラチル
「どうして?」



「だって、もう私は奏の彼女じゃないから。


あれがあると私は甘えたままだもの。」




彼の黒い瞳に映る無表情な私。



でもこうでもしないと涙が溢れそうだった。



「きっと、次は、もっと上手に愛せるし



もっと上手に許せる。



もっと上手に受け入れて



もっと上手に泣ける。



できれば、もっとを使う相手が私であれば良かったなぁ。」
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