サクラチル
「交通事故って、本当?」



「奏はどこ?」



「奏は、生きてるの?」



「お願いだから、何か言って」



出た声は酷く掠れていた。




ゆっくりと崩れるように掴んでいた襟元を離す。



「奏は…生きてる。だけど、」



「手術は成功した。



だが、意識不明のまま、病室に移された。



最悪の場合、一生目を覚まさない。」




「哲ちゃん。



…奏は、目を覚ます。


絶対に。」
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