サクラチル
奏side.


「愛してる」



低い訳でも女特有の甲高い声でもない



落ち着くし何故だか懐かしい声だった。



それはまるで大空の様に全てを包み込むような声で。



誰の声なのか解らないけど



今にも消えてしまいそうな儚い声なのにどこか強い覚悟のこもった声で



不意にも泣きそうになった。
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