サクラチル
「少し昔話をしようか。



幼い女の子は影でいつも人のために涙を流していた。



他人の為に涙を流すなんて馬鹿げてる。



自分の事だけ考えていれば自分は傷つかないのにって、幼い男の子ははそう思ってた。



ある日男の子は女の子に



『なぜ、他人の為に涙を流すの?



なぜ、他人を信じるの?



なぜ、影で泣くの?』



って問いたら、女の子はなんて言ったと思う?



『他人を思って流れる涙は暖かいんだよ。



それに、誰かを信じないで後悔して泣くより誰かを信じて涙を流したい。



影で私が泣けば誰も傷つかない。』



そう僕の瞳をまっすぐ見て言ったんだよ。」
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