君の声が、僕を呼ぶまで
あれも、あの日と同じ、風が少しだけ強く吹いていた日の事。


僕は、それもあの日と同じで、中庭にいた。

中庭に面している保健室の窓が、少しだけ開いていた。

暖かい日の光と風を取り込もうとしていたのだろう。


あそこに、相川さんがいるのかな…


そんな事をボンヤリと考えていた時、今思えば、神様が少しだけ味方をしてくれたんだと思う。

風が、カーテンを大きくはためかせた。
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