君の声が、僕を呼ぶまで
「ごめんね、田中君、佐藤さん。今日は当番じゃないのに、手伝わせちゃって」

その2人を新たに加え、砂利の砂埃にまみれたボール拾いが再開された。


「いいよいいよ~、皆でやった方が早く終わるしね」

「そそ、何よりここの首領(ドン)の陽太先輩の命令には逆らえないしな」

「だよね~」


「信吾ー、聞こえてるぞー。佐藤も同意すんなって」

拾ったボールを空中に放ってキャッチする手遊びを繰り返しながら、冬島先輩が軽く睨む。


「うゎ、相変わらずの地獄耳だなー」

「だーかーらー、聞こえてるっつーの!」


田中君の首をしっかりホールドして、頭をグリグリし始めるのを見て、沙羅も佐藤さんも楽しそうに笑う。

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