君の声が、僕を呼ぶまで
怒らせちゃった!?

叩かれちゃう!?

固く目を閉じた、次の瞬間。


「えいっ、ぺこぺこー!」

そう言いながら、華ちゃんは、私の頭に軽く二発のチョップを入れた。


私は別の意味で驚いて、呆気にとられた顔をしていたと思う。


「痛かった?」

そう尋ねられたので、慌ててふるふると首を横に振ると、華ちゃんは溜息をつく。


「さっき見てたでしょ、陽ちゃんのチョップ。あれ、結構痛かったんだよー」

陽ちゃん…。

さっきの…冬島先輩…だっけ…。


「華は優しいから、今、手加減してあげたの」

顔を天井の方へ向けて、えっへんと得意げに言う。
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