君の声が、僕を呼ぶまで
そして、私の両方の頬っぺたを、つねって伸ばす。

「びろーん。ねぇ、もしかしなくても、緊張してる?」

今度は、首を縦に振る。

…ちなみに、これは、少し痛いかも。


「へへっ、大丈夫だよぉ」

今度は、頬っぺたを内側へと押す。

「華は、一歳だけ年上だけど、怖くないからね」


あ、冬島先輩がさっき言ってた。

私たちの学年のタイは赤色。

この人も、私と同じ、赤いタイ。

本当はあの先輩と同じ緑色のはずだったけど、赤に変わったみたいな事を言ってた気がする。


「だから、先輩って呼ぶの禁止ね。華ちゃん、でいいから!」

ブニブニと頬っぺたを伸び縮みされ続ける。

「あははっ、小春っちの顔、おたふくみたいー!」
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