君の声が、僕を呼ぶまで
「いや、だって、初対面で小春ちゃんをここまで振り回す人、久々に見たからさ」

「…え?」

一瞬動きが止まった華ちゃんが、ようやく私の頬を解放してくれた。

「さすが、山崎さんだなぁって。全然変わってなくて安心した」

まだ笑いが収まらないらしく、浮かんでいる涙を指で掬っている。


「小春ちゃん、驚く暇もなかったみたいなのに、表情がくるくる変わって。俺もこんな小春ちゃん、一年経って初めて見たかも」


ようやく落ち着いてきた先生が、私達を交互に見ながら言う。

「改めて、紹介しようか」


まず、華ちゃんの方へ手の平を向ける。

「こちらは山崎華さん。病気でお休みしてたので、学年は小春ちゃんと同じで今年2年生。少しずつ馴らしていく為に、しばらく保健室に通って貰う事になってます」

「…っていうワケ。よろしく」


…あれ、ちょっと…華ちゃんの声のトーンが変わった?
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