君の声が、僕を呼ぶまで
「スクールカウンセリングっていうのがあるんです」


詳しい事は分からないけど、不登校の子を受け入れてくれるというものらしい。

先生が、そこの高校を受験してはどうかと勧めてくれたのは、学力的に申し分ないところだという事の他に、スクールカウンセリングを受けられる環境があるから、という事だったそうで。


人が怖い。

私の根本に植え付けられた、悪夢のような呪い。


だけど、ささやかな望みを叶えてくれそうな、ささやかな希望の糸が目の前に垂れてきた。

こうして私は、その希望に縋るように、スクールカウンセリングを受ける事にした。


それだけでも、あの頃の私にとっては、大きな決断だったと思う。
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