君の声が、僕を呼ぶまで
陽ちゃんが、華のどんなイヤな話を聞いてたかは知らないけど。

別に、誰かを傷付けたりとか、そういう悪い事はしてないつもり。


『山崎さんって、可愛い子ぶるし、ワガママだよね』みたいな、僻み系のはず。

可愛い子ぶる、上等じゃない。

勉強や運動と同じ。

自分の武器を、錆びらせるか、磨くかだけだもの。


一部の人にそういうふうに印象に残るのだって、それはそれで成功、快感。

でも、全体で見た時に、プラマイ+になるくらいの印象を、他の人に与える努力を怠らないの。


小さい頃の、壊れ物扱いは「仕方ない」って甘受してた。

そうする事が、自分の心身を守る、一番の方法だって知ってたから。


でも、中学2年になった時に、心がちょっとだけ、黒くなった。

高校では、あんな異物扱いされたくない。


毎朝、教室のドアを、笑って開けたい。

その事に一生懸命だったの。
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