君の声が、僕を呼ぶまで
カウンセラーって、すごいなぁって思った。

雪人先生がいるから、ちょっと具合が悪くて保健室に駆け込まなきゃいけなくなっても、前ほどは嫌じゃなくなった。


ここで寝るのは、気持ちいい。

保健室のベッドのクリーム色のカーテンが揺れるのを見るのが、気持ちいい。

雪人先生が、おでこに手を当ててくれるのが、気持ちいい。


だからかな、ちょっと…いや、かなり油断してた。


高校1年を無事に過ごし、2年生に進級した。

その2年生も、順調に、半分以上過ぎていた。


「華、今日も1人で帰れるか?」

「大丈夫だよ」

「じゃ、俺、部活行ってくるから」

「うん、頑張ってね!」


陽ちゃんと校門のところでバイバイして、1人、家路につく。

あとちょっとで今年も終わり。

冬休みは何して遊ぼうかな。

雪人先生に会えないのはちょっと寂しいけど、2学期が終わって、3学期になって、3年生になって、まだまだずっと、学校に行けば会えるんだもの。
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