君の声が、僕を呼ぶまで
苛める側に深い理由はないとか、苛めだと思ってなかったとか聞くけど。


華は、確実に的確に、心を抉りにいった。


これは、居場所を守る戦い。

苛めの正当化なんて、多分、誰も聞く耳持ってくれないけど。


でも、自分の大事なモノを守るために、他人を排除しなきゃいけない時って、あるでしょう?

それが、相手にとって、苛められたと感じるかどうかの違いだと思ったから。


華は、白い色に囲まれて生きてきた。

それは、ふわふわお姫様である証。


華を甘い世界に閉じ込めていた白は、ポタリと滴る黒ずみのインクが混ざり始めた頃から、少しずつ変わった。

でも、やっぱり白に焦がれた。


ゆえに、黒くなってでも、守るために戦わなくちゃいけないの。
< 195 / 389 >

この作品をシェア

pagetop