君の声が、僕を呼ぶまで
「…っ」


もちろん気持ちよくなんかないし、でも気持ち悪くもない。


「いいね、ゾクゾクする」

雪兄ぃの唇が、私の唇を割って入って来た。


…やっぱり、気持ち悪い。

だって、私は雪兄ぃの事好きじゃないし、雪兄ぃのこの歪んだ唇の熱さは…


私の視界の片隅には、写真たて。

小さい頃、3人で撮った写真。

私と、雪兄ぃと…空ちゃん。

ねぇ、空ちゃん、雪兄ぃはね…


だけど、身体が熱を帯びていくにつれて、私の思考は途切れていった。
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