君の声が、僕を呼ぶまで

●明けの光と、暮れの夕闇

今日は朝から目まぐるしかった。


サラの言葉が、何故かいつもより響いて。

世界に光が満ちて、まるで夜明けのような。


だから、私は、浮かれていたんだと思う。

夜は再びやってくる。


私は、忘れていた。


その夜が、必ずしも、穏やかな安らぎの時間だと約束されてはいないという事を。


世界は、容易に深くて重たいものに暗転するという事を。
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