君の声が、僕を呼ぶまで
小春は一度も振り返る事なく、自分の家に入って行った。

家の中で、どんな顔をしているんだろう。

私はどうすればいいんだろう。


「ニャー」

小春の家の中から猫の鳴き声がした気がして振り向いたけど、その姿を確認する事は出来ず、私はそのまま、小春の家を後にした。



ポーンと音が鳴り、私はボンヤリとしていた意識をパソコンの方へ向ける。


>【アキ】が入室しました

>ROOMが解放されます


3人揃った。

だけど、誰も話し始めない。

【サラ】も【アキ】も、私と同じように、画面の前で戸惑っているように感じるのは、何故だろう。


その沈黙を破ったのは、ルームマスターの【サラ】だった。
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