君の声が、僕を呼ぶまで
●ある黒猫の、悲痛な祈り
僕は自分の親を知らない。
当然ながら、兄弟も。
むしろ、兄弟なんていたのかな。
気付いたら、野良猫だった。
自分の年齢も知らない。
だけど、すっごく小さかったから、1人で生きていく事はとても難しいって事だけは分かってた。
小春は、小さい頃から、動物や植物などの人間以外の生き物とも言葉を交わせるって聞いた。
ハッキリ聞きとれるワケじゃないし、小春の意思がハッキリと伝わる事はなかったようだけど。
庭に花が咲けば「今年も綺麗なドレスだね」と。
蝶が飛んでいれば「今日はどこへお出かけですか」と。
手折れた枝があれば接ぎ木をし、息絶えた小鳥がいれば涙してた。
当然ながら、兄弟も。
むしろ、兄弟なんていたのかな。
気付いたら、野良猫だった。
自分の年齢も知らない。
だけど、すっごく小さかったから、1人で生きていく事はとても難しいって事だけは分かってた。
小春は、小さい頃から、動物や植物などの人間以外の生き物とも言葉を交わせるって聞いた。
ハッキリ聞きとれるワケじゃないし、小春の意思がハッキリと伝わる事はなかったようだけど。
庭に花が咲けば「今年も綺麗なドレスだね」と。
蝶が飛んでいれば「今日はどこへお出かけですか」と。
手折れた枝があれば接ぎ木をし、息絶えた小鳥がいれば涙してた。