君の声が、僕を呼ぶまで
その時は、男の子同士の、軽いふざけ合いだと思ったの。


苛めの発端なんて、もしかしたら、そんな簡単な一言が多いのかもしれない。

それが、どんどん広がっていくなんて、思いもしなかった。

そう、軽く見て、深く受け止めなかった。

それが、私の第一の罪。



気付いた時には、一滴の雫が生んだ波紋は、幾重にも重なって広がっていた。

ゆらりゆらりと、そこに伝わる水面がある限り、溢れんばかりに。


「今日は、何して苛めてやろっか」

そんな言葉が、日常の中で、挨拶のように飛び交う。


気付くのが遅かった。

それらに嫌悪感を覚えながらも、まだ心のどこかで、そのうち収束するだろうと思っていた。

それが、私の第二の罪。
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